プロジェクト プロジェクトマネジメント

父が娘に伝えたい。プロジェクトマネジメントのコツ【段取り編・後編】

前編で無事にキックオフミーティングまで終えた3番目の子ブタ。

三匹の兄弟の「ブログ飯プロジェクト」はどのような結末を迎えるのでしょうか?

前編はこちら

記事を読んでみる

プロジェクトマネジメント 3匹の子ブタ 父が娘に伝えたい
父が娘に伝えたい。プロジェクトマネジメントのコツ【段取り編・前編】

続きを見る

 

目標設定を間違わないためには?

プロジェクトマネジメント ゴール 目標 設定

しばらくすると、一番上の子ブタのブログが完成しました。
なんと、一番上の子ブタは、たった1日で、ブログを立ち上げ、どんどん記事を書き始めています。
「やっぱりスピード優先でしょう。しかもアメブロ無料だし!」

2番目の子ブタは、プロジェクトの計画に少し時間をかけました。
よりしっかりとしたブログを作るという目標を立てて、必要な作業を調べて、スケジュールを考えたのです。

しかし、2番目の子ブタも、何が求められてるのかをお母さんブタに確認することなく、すぐに作業に取り掛かってしまいました。

そして、翌日ブログを開設し、初期設定に入りました。
「兄さんより、しっかりしたブログを運営したかったからね。構築の手間はかかるけど、コストは悪くない!」

お兄さんたちのブログがもうできちゃった。
うん。でも、どうだろう。
プロジェクトの目的や方向性についてプロジェクトオーナーときちんと擦り合わせできてないと、間違った方向に進んでしまうよ。
確かに、2匹のお兄さんブタは、お母さんブタが期待するのと違う方に向かってるかもしれない。
その原因は、目的を明確化せずに、間違った目標を設定してしまったからだね。

 

明確化するための質問

  • 何のためにやるのか?
  • なぜ今、このプロジェクトが必要なのか?
  • 何をもって、完成・成功といえるのか?その判断基準は?
  • スケジュール、コスト、品質で優先されるべきものは何か?
  • 目標は具体的で分かりやすく言語化されているか?(5W2Hなど)
  • 体制や手順など基本的なことは決めているか?
  • プロジェクトの概要や進め方などを記録しようとしているか?

 

やるべきことを洗い出す

プロジェクトマネジメント WBS TODO リストアップ

3番目の子ブタは、分かる範囲でいろいろな分野の計画を大まかに立て、それらを一つのプロジェクトマネジメント計画書として、まとめることにしました。

まずは、ブログをつくる上で、プロジェクトのスコープを定義します。
どのようなブログにしたいのか、収益化する上で外せない要素は何か、など具体的に「何をどこまでつくるか」が分かるブログ飯プロジェクトのスコープ記述書を作成しました。

次にプロジェクトがどのような作業から構成されているかを把握するために、WBSの作成を始めました。

「まずはサーバー契約だろ、、、ドメインとブログ名を決めて、、、どのテーマを使うかを決めて、、、」

このように、3番目の子ブタは、作業に漏れやダブりがないように気を付けながら、ブログを制作する作業を分解しました。

スコープってなに?
スコープというのは範囲のこと。「何をどこまでつくるか」プロジェクトの“What”を決めることだよ。
プロジェクトでやること(スコープ内)と、やらないこと(スコープ外)のことをまず決める。
そして、スコープ実現に必要な成果物とそのための作業(タスク)を洗い出していくんだ。

 

WBS( Work Breakdown Structure )を作る

プロジェクトを計画通りに進めるためには、そのプロジェクトが具体的にどのような作業によって成り立つのかを把握する必要があります。

そのためにスコープを細かく分解して、WBS(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー)をつくります。

WBSとは、プロジェクトに必要な作業をツリー構造に細分化したもの。
作業を洗い出して、スケジュールやコストが見積もれるレベルまで、作業を分解していくんだ。

ブログ制作 WBS

 

(補足)チームで進める場合は役割を分担する

プロジェクトをチームで進めるは多いよね。
その場合は、WBSを作成した後、今のメンバーですべての作業を実行できるか?確認する必要があるよ。
確かに…できない作業があると、プロジェクトは進まないね。
そう。もしスキルが不足しているなら、できる人をチームに加えなくてはいけない。
そのために各作業を行うのに必要なスキルをリストアップして、役割分担表を作る必要があるよ。
もし、不足しているのが分かったらどうするの?
そのスキルを持った候補者を挙げて、所属している部署の責任者と交渉して確保することになる。
そして一つの作業を複数人で行うこともあると思う。その時は各作業の責任者も決めておくべきだよ。
責任を曖昧にしないためだね。

 

作業時間を見積もる

必要な作業を洗い出した3番目の子ブタは、それぞれの作業をいつ終わらせることができるか見積もりを始めました。

「サーバーを契約するにも、候補のリストアップをして、各社を比較して、申し込みする必要があるな。そうすると1時間ぐらいはかかるかも。」

「ドメインとブログ名は悩むけど、30分ぐらいで決めよう。ブログ名は後からでも変えられるし。」

3番目の子ブタは、このようにひとつひとつの作業にかかる時間の予測と、コストの見積もりを行いました。

時間の見積もりって、具体的にどうすればいいの?
まずは過去の実績だね。以前に似たような作業をやっていればそれが参考になるよ。
確かに。でも、仮にやったことがある作業でも、あの時どれぐらい時間がかかったか、覚えてない場合も多そうだけど。
良いポイントに気付いたね。そう、だいたい忘れちゃうんだよね。
だから、作業時間を記録しておくというのが、とても大事だよ。
初めての作業だと、なるべく作業を分解した上で、ざっくり見積もらざるを得ないけど、実際の作業時間を記録しておくこと。
見積もりと実績の比較を繰り返して、段々と正確な見積もりができるようになるんだ。
作業時間の記録にはタスク管理ツールを使うのがおすすめ。
この記事で紹介している方法なら無料で使えるよ。

記事を読んでみる

Todoist Toggl Googleカレンダー タスク管理 連携
【設定方法】Todoist x Googleカレンダー x Toggl連携で最強のタスク管理環境に

続きを見る

 

スケジュールを見える化する

「WBSやネットワーク図で必要な情報は既にあるので、ガントチャートを作って、スケジュールを見える化しよう。」

3番目の子ブタは、ブログ飯プロジェクトの進捗管理のために、ガントチャートを作り始めました。

「えーと、ガントチャートの左側に、作業の一覧を書いて、責任者、開始日と終了日を書くだろう。次に、上端に日付を記入して、各作業の所要期間を横棒で描いて、完成だな。」

ガントチャート?
ガントチャートは、機械工学者で経営コンサルタントのヘンリー・ガントによって考案されたもので、縦軸にタスク、横軸に時間軸を棒グラフで表すことで、直感的に全体像を掴めることが特徴だよ。
考案されたのが1910年台だから、100年以上様々なプロジェクトで使用されているんだ。
プロジェクトマネジメント ガントチャート イメージ

ガントチャートのイメージ

 

見える化して、共有することが目的だから、一人プロジェクトの場合は作らなくてもOK。
複数のプロジェクトメンバーで日程感を掴むのには良いね。

 

リスクに気を配る

リスク マネジメント プロジェクト

プロジェクトが佳境に入ってきたある日のことです。
3番目の子ブタは心配そうな顔をしていました。
隣の村で挫折オオカミを見かけたという噂を聞いたからです。

「更新が止まっているブログもいくつかあるようだ。」

「ブログを完成させる前に、挫折オオカミが襲ってこない」という前提条件で、スケジュールを立てたけど、もしブログが完成する前にオオカミが襲ってきたらどうしよう。今からでも遅くないから、できる範囲で、今後のリスクを洗い出そう。」

3番目の子ブタは、慌ててリスクマネジメントを始めました。

「挫折オオカミが襲ってくるのが一番のリスクだろう。」
「ブログが乗っ取られるという話も聞いたことがある。それもリスクだな。」
「想定しているアフィリエイトプログラムがないとか、そもそもの作業時間を確保できないというのも、リスクだよな。」

考えられるリスクをどんどん洗い出します。

また、リスクの分析だけではなく、どのような対策ができるかも真剣に考え始めました。

リスクってどういうこと?
リスクは、「もしそれが発生すれば、プロジェクトにマイナスまたはプラスの影響を及ぼす不確かな事象」のことを言うよ。
マイナスなことだけじゃなくて、プラスの場合もあるんだね。
そう。マイナス(脅威)は減らして、プラス(好機)は有効活用していくんだ。
リスクについては計画時に洗い出すことも必要だけど、プロジェクトを進めていく中でも常に考える必要があるよ。プロジェクトを取り巻く環境は変わっていくことも多いからね。
具体的にはどうやるの?
リスク管理は次のような流れでやっていくよ。

step
1
リスクの特定

まずは起こりうるリスクを洗い出して特定することから。
重大なリスクがあったとしても、それに気付かなければ、対策の立てようがありません。

 

洗い出しの方法

  • ブレインストーミング:チーム全員で意見を出し合う。
  • ノミナルグループ:アイデアをまとめて、投票で選ぶ。
  • デルファイ法:専門家に聞いて、意見をまとめる。
  • チェックリスト:過去の類似プロジェクト経験から作成したチェックリストを用いる。

洗い出したリスクは「リスク登録簿」に記録します。

 

step
2
リスク分析

発生確率と影響度でリスクを分析して、対応する優先度を決める。

プロジェクトマネジメント リスク 定性的リスク分析

優先度1 → 問題を発生させない予防策と、発生した場合の対策を決めておく。
優先度2 → 発生時の対策を決めておく。
優先度3 → その都度判断する。
優先度4 → 無視してもOK。

 

step
3
対応策を計画

プロジェクトマネジメント リスク対応策

  1. まず、対応策を選ぶ。
  2. 誰が、いつ、何を、どのように対応するのか決める。
  3. 対策実行のタイミング(トリガー・ポイント)を決める。
  4. 対策活動のタスクもWBSに追加する。
  5. プロジェクト進行中も、定期的に再評価する。

 

最終章

プロジェクトマネジメント 3匹の子ブタ オオカミ

3番目の子ブタも、ようやくブログを立ち上げました。

「よし、これであとは必要な記事をどんどん書いていくぞ。収益化までの道はここからだ。」

しばらくして、挫折オオカミが一番上のお兄さんに声をかけました。

「ほぉ~、頑張ってたくさん記事書いているね~。」

「へへ、すごいでしょ。」

「いや~短期間でこんなに記事書けるなんてね。」

そして耳元で囁きました。

「で、その記事って読んでくれてる人いるの?誰得なのかな?」

「…えっ、それは…」

一番上のお兄さんブタは膝から崩れ落ちました。

 

それを見ていた3番目の子ブタは、その失敗から要件定義の重要さを学び、教訓として記録しました。

 

挫折オオカミは、2番目の子ブタに囁きました。

「おお~、WordPressでしっかりブログ運営しているんだ~。」

「へへ、カッコいいブログでしょ。」

「うん、本格的な感じだね~」

そして耳元で囁きました。

「そんなに時間かけて、収益は?どうやって収益化するつもりなの?」

「…えっ、それは…」

2番目の子ブタは途方に暮れました。

 

3番目の子ブタは、その失敗から導線設計の大切さを学び、教訓として記録しました。

 

最後にオオカミは、3番目の子ブタに声をかけました。

「ねぇねぇ、しっかり者の子ブタくん、ようやくブログ立ち上げたんだって?見せてよ。」

「うん、いいよ。」

「えっ、全然記事書けてないじゃん。そんなんでやっていけるの?」

「記事はこれから。だけど、書いていく記事はもう決まってるよ。」

「ふぅん、そういえば隣村の君より若い子ブタは1ヶ月でもう5桁稼げたらしいよ。」

「へぇ~それはスゴイ。でも、ブタはブタだよ。それぞれのやり方がある。」
「僕はお母さんと約束したんだ。目標に向けて、立てた計画を一つずつ実行していくよ。」

しっかりと目標と計画を立てている3番目の子ブタはオオカミの揺さぶりにも動じません。

オオカミもあれやこれやと呟いているうちに、いつの間にか消えていきました。

 

…半年後

「やった!!初収益だ!!!」

3番目の子ブタは、お母さんブタに報告しました。

「待ちに待った初収益ね。おめでとう!」

「独り立ちするにはまだまだだけど、あなたは正しい道を歩いているわ。きっと大丈夫よ。」

 

3番目の子ブタは初収益に浮かれることなく、実行と検証のPDCAサイクルを回しながらブログの運営を続けていき、一人前のブロガーとして独立を果たしましたとさ。

めでたし、めでたし。

3番目の子ブタは見事に独り立ちできたね!でも残念ながら、2匹のお兄さんブタのプロジェクトは失敗しちゃった。
うん。最初の要件定義で、十分なニーズの引き出しをせずに進めたのが一番の要因だね。

 

プロジェクト段取りのまとめ

プロジェクト 段取り まとめ

それでは、プロジェクトの段取りポイントをまとめるよ。

段取りのまとめ

  • プロジェクトとは「目的」があり「期限」があって「独自性」があるもの。
  • 目標や計画を立てて、プロジェクト成功のシナリオを作りましょう。
  • 関係者とは常にコミュニケーションを図り、共通認識を持って、協力しあおう。
  • 多角的にプロジェクトを管理し、グレーゾーンを無くすこと。
  • キックオフミーティングでプロジェクトを始動しよう。
  • プロジェクトの目標を具体的かつ明確するべし。
  • WBSを作って、やるべきことを明確にしよう。
  • 役割と責任をきちんと決めること。
  • 困ったことを具体的にして、協力しあおう。
  • それぞれの作業が、カレンダー的にいつ終わるのかハッキリさせる。
  • 作業の順序を意識して、後工程の人を待たせないようにしよう。
  • クリティカルパス上にある作業に集中する。
  • 個人にかかる負荷をチームで減らそう。
  • チーム全体で積極的にリスク対策するべし。
  • 納期を守るために、スケジュール短縮に挑戦する。
  • チームで助け合って、プロジェクトを成功させよう。
やるべきことはたくさんあるけど、一つ一つ見ると、どれも基本的で大切なことなんだね。
ところでこのブログは3番目の子ブタみたいにしっかりと計画されてるの?
(ギクッ!)んっ、まぁ、そこは段階的詳細化をしながら計画していて・・・
それで収益は?
(クッ!だんだんオオカミに見えてきた)
ねぇ、大丈夫?
ぶつぶつ…
…最後までご覧いただきましてありがとうございます!次回の更新もお楽しみに!!

 

童話をベースにプロジェクトマネジメントの考え方が分かりやすく語られている初学者におすすめの一冊。
誰もが知っている物語をプロジェクトマネジメントの切り口で説明されていて、読み物として単純に面白い。

-プロジェクト, プロジェクトマネジメント