プロジェクト プロジェクトマネジメント

父が娘に伝えたい。プロジェクトマネジメントのコツ【段取り編・前編】

プロジェクトマネジメント 段取り 父 娘 伝えたい

“いきなりですが、筆者は、今後、すべてのビジネスパーソンにはプロジェクトマネージャーとしての力量が求められるようになるだろうと考えています。”

と語ったのは、『外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』の著者で独立研究者、著作家、パブリックスピーカーの山口 周氏。

山口氏はこうも仰っています。

“読者の皆さんにぜひお伝えしておきたいのは、仕事が「手続き処理型」から「プロジェクトマネジメント型」に変わると、「人生はとても楽しくなる」ということです。”

 

実はこれ、仕事だけの話にとどまらないと思っています。

それは、仕事もプライベートも「人生はプロジェクトだらけ」だからです。

プロジェクトだと認識していなかったとしても、誰しもプロジェクトを経験したことがあると言っても過言ではありません。

例えば、学生時代の体育祭や文化祭といったイベント、自分一人でやるテスト勉強ですら、一つのプロジェクトですね。

 

さらに、私たちの人生自体も1つの壮大なプロジェクトと言えます。

人生や、やるべきこと、やりたいことをプロジェクトとして捉え、主体的に生きる

そのための、プロジェクトマネジメントの知識・スキルというのは、すべての人が身に付けて損のないスキルなのです。

しかしながら、日々プロジェクトを進めていて感じるのは、周囲で知ってる/できている人が余りにも少ないということ。

プロジェクトマネジメントの知識・経験があるメンバーで、プロジェクトを進められれば「もっと物事はスムーズに進むはずなのに」と思うことも少なくありません。

 

とはいえ、「プロジェクトマネジメント」を学ぶと言っても、知識体系をまとめたPMBOK(Project Management Body Of Knowledge)ガイドをはじめ、なかなか理解が難しいものです。

なので、プロジェクトマネジメントをかみ砕いて、日常に取り入れやすいような内容でブログにしてみようと思います。

この記事では、有名な童話と身近なプロジェクトを通して、「プロジェクトの段取り」について解説していきます。

プロジェクトマネジメントって何それ美味しいの?という人向けに書いていきますので、私と一緒に学んでいきましょう。

 

プロジェクトとは何か?

三匹の子ブタ プロジェクトマネジメント

むかしむかし、あるところに、お母さんブタと、3匹の子ブタが暮らしていました。

4匹は仲良く、様々な生活プロジェクトに取り組んでいました。
しかし家は大変貧しかったのです。

お母さんブタは考えました。

「この家には、プロジェクトを完了させる(生きていく)ために必要なお金や食べ物などの資源が足りないわ。非常に厳しい状況ね。これは、子ブタたちを独り立ちさせるしかないわ!」

翌日、お母さんブタは3匹の子ブタを集め、突然発表しました。

「お前たち、これからは自分でブログを書いて暮らしていくんだよ」

そう、お母さんブタはブロガーでした。

こうして、家計をリカバリーさせるために「実家追い出し」プロジェクト(通称:ブログ飯プロジェクト)が始まったのです。

このお話では、3匹の子ブタは、お母さんブタの言いつけで、それぞれブログを書いて生計を立てていく(収益化していく)プロジェクトを始めることになりました。
お母さんブタの鶴の一声でいきなり始まったね。
そもそもプロジェクトってどういうものを指すの?
良い質問だね。プロジェクトっていうのは、「目的」があり「期限」があって「独自性」があるものを指すんだよ。

このお話の「ブログ飯プロジェクト」では、

ポイント

  • 普段の仕事とは異なり、独自性・新規性があること。
  • 独り立ちして暮らしていくために、収益化という目的がある。
  • 収益化までの期限がある。
つまり「ブログで稼ぐ」のは1つのプロジェクトだし、例えば「旅行に行く」のも1つのプロジェクトと言えるよ。
そして、だいたいのプロジェクトはこのような流れになるよ。

プロジェクトの流れ 5つのプロセス群

 

「とにかく始めよう」は失敗につながる

プロジェクト 見切り発車

お母さんブタの「鶴の一声」で、ブログ飯プロジェクトが「見切り発車」しました。

3匹の子ブタは、まだプロジェクトの経験が浅かったのですが、プロジェクトマネージャーに任命され、それぞれのブログを作っていくことになったのです。

「ブログなんてよく分からないな。とりあえず、さっさと始めよう。」
1番上の子ブタは、何も考えず、簡単に始められそうなアメブロでブログを書き始めました。

2番目の子ブタは、プロジェクトを始める前に、ちょっと考えました。
「アメブロだと、何だか不安だな。収益化を考えたらWordPressの方がいい気がする。」
ブログに対してサクッとリサーチをして、作業に取り掛かりました。

3番目の子ブタは、2匹のお兄さんブタと違い、すぐにブログ制作を始めませんでした。
「どんなブログがいいんだろう?それをつくるためには、何が必要なんだろう?まずは、しっかり計画しよう。」

1番上のお兄さんは、早速書き始めちゃった。
そうだね。ブログ立ち上げること自体は簡単だからね。
お兄さんみたいに行動力があるのは素晴らしいこと。だけど、プロジェクトとして捉えると「計画を立てないのは、失敗する計画を立てているのと同じ」なんだよね。
さらに、仮に計画を立てたとしても、ゴールを間違ってしてしまうと、その時点で失敗の道を歩み始めることになる。
ふーん。正しい目標設定とそれに向けた計画が必要ってことなんだね。

 

プロジェクトが失敗する原因

  • 目的や目標が曖昧
  • 予算や人員などの資源(リソース)が足りない
  • 納期が短すぎる
  • 作業漏れや見積もりミス
  • リスク対応不足
まずは、プロジェクトを進める前に、具体的な目標を設定すること。そして、できる範囲で計画をしていこう。
でも、初めてのことは分からないことも、たくさんありそう。
そうだね。プロジェクトマネジメントでも「段階的詳細化」と言って、進めながら詳細を明確にしていく手法を取るよ。
計画を実行しながら、状況に応じて適宜修正しつつ、現実的な対応をしていくことが重要。

 

目的地をハッキリさせる

プロジェクト 目的地

3番目の子ブタは、2匹のお兄さんブタの進め方をじっくり観察しました。

しかし、まだ具体的にどのようなブログにするべきか、お母さんブタの要求事項もよく把握しておらず、プロジェクトを通してつくるべき成果物スコープを明らかにできませんでした。

そこで、甘え上手でもある3番目の子ブタは、今回のプロジェクトのオーナーであるお母さんブタに相談することにしました。

「お母さん、具体的にどんなブログにすればいいの?」

「お母さんは何を期待しているの?教えてください」

「いいよ。じゃあ、まず、なぜブログで生計を立てる必要があるのか?から説明するね」

お母さんブタは丁寧に説明してくれました。

目的を理解して目標を設定する上ではステークホルダーの期待値を把握することが重要だよ。
ステークホルダー?
ステークホルダーっていうのは、プロジェクトのオーナー、スポンサー、顧客、ユーザー、チームメンバー、関係部署などなど。プロジェクトに影響する利害関係者のことだよ。
特にプロジェクトに対しての影響度と権力が強いのは、プロジェクトオーナー。
今回のプロジェクトではお母さんか。
誰がプロジェクトオーナーなのか?プロジェクトオーナーはそもそもどんな問題意識を持っているのか?何を期待しているのか?を明確にしておく必要があるよ。
そのためには「聞く」ことがもっとも重要
ふむふむ。
時としてプロジェクトオーナーが明確なイメージを持っていないこともあるけど、「聞く」ことで言語化されていくんだ。

 

プロジェクトの全容を明らかにする

プロジェクト 明確化

3番目の子ブタは、プロジェクトオーナーであるお母さんブタに相談することで、プロジェクトの方向性や内容を少しずつ理解するようになりました。

「お母さんは、ブログをやるにあたって、一番重要なことは、挫折オオカミを寄せ付けずに“継続”することだって言っていたな。だから、身銭を切ってサーバーを長期契約したり、有料テーマを導入するのが良いって薦めてくれた。外観や内容は自由にやって良いけど、ASPと提携した方が良いって言っていたな。」

3番目の子ブタは、お母さんブタから聞き出したニーズを思い返すことで、どんなブログを作るべきか、どんどんイメージできるようになってきました。

続けて、どのような作業が必要なのか、プロジェクトスコープやコストなども考え始めた3番目の子ブタは、3匹の中でもっともプロジェクトの計画に力を入れました。

ブログで収益化するための段取りをしっかり整えようとしたのです。

お母さんに聞くことで、いろいろ分かってきたみたい。
プロジェクトを始める時は、曖昧な事や分からないことが多いからね。プロジェクトの経験が少ないとなおさら。
プロジェクトを進める時には、ゴールとそこへ向かうルートを明確にしつつ、グレーゾーンを無くしていく必要があるよ。
ふむふむ。
プロジェクトマネジメントでは、そのために検討すべき領域がある。

プロジェクトマネジメント 10の知識エリア

こんなに色々考えなくちゃいけないんだ。。。
プロジェクトの規模によるけど、小規模プロジェクトだと不要な部分もあるよ。実用的に調整することをテーラリングと言うんだ。でも考慮すべき項目として知っておいたほうがいいかな。

 

プロジェクト憲章とキックオフ

プロジェクト キックオフ

3番目の子ブタはブログで収益化するための全体像がある程度見えてきたので、それを資料(プロジェクト憲章)としてまとめました。

翌日、3番目の子ブタはキックオフミーティングを開催し、お母さんブタにプロジェクトの目的や内容などをひと通り伝えます。

・・・・・

・・・・・

「お母さん、今まで話した通りにブログを始めるけど、気になる点はある?」

「うん、大丈夫よ。がんばってね!」

「ありがとう!よーし、やるぞー!」

キックオフってサッカーの試合みたいなこと?
そう。キックオフミーティングは「これからプロジェクトを始めるよ!」ということを関係者に周知するイベント。プロジェクトを成功に導く上で欠かせないよ。
確かに何となく試合が始まってたら、参加者は戸惑っちゃう。
プロジェクトの背景や目的、方向性や基本的な決まり事は、プロジェクトマネージャーだけじゃなく、プロジェクトに関わる全員が共通認識を持つ必要があるよ。
なるほど。その辺を知ってるかどうかで、やる気も違ってくるかも。
そうだね。そしてプロジェクトを進める中では、ゴールを見失ったり、ルールを忘れてしまうこともある。
そんな時は「今やっているのはサッカーというゲームで、相手は彼ら、ゴールはあそこだよ。」っていう風に目的に立ち戻ることが重要になってくるよ。
3番目の子ブタは、キックオフミーティングを通じて、お母さんブタと共通認識を持つことができたんだね。
プロジェクトオーナーであるお母さんブタからGOサインをもらえたので、安心してブログ制作に取り組めるようになったね。

 

プロジェクト憲章の主な内容

  • プロジェクトの目的(なんでこの仕事をやるのか?)
  • 測定可能な目標(何がゴールなのか?)
  • 前提条件と制約条件 (どうやってやるのか?)
  • プロジェクト関係者からの要求事項(何を求められているのか?)
  • 予算(いくら使えるのか?)
  • スケジュールとマイルストーン(いつ頃までに終えるのか?)
  • リスク(途中で起きるとヤバいことは?)
  • プロジェクト関係者の情報(誰が責任者でどんなメンバーがいる?)

 

…さて、無事にキックオフミーティングを終えた3番目の子ブタ。

どんな結末が待っているのでしょうか?

後編につづく。

文字数が増えてきたので前後編の2部構成にします。後編をお楽しみに!!

プロジェクトマネジメントにとても参考になる書籍です。
現場におけるマインドや勘所を学べるので中級者以上におすすめ。

 

プロジェクトマネジメントの知識体系を学ぶ教科書。
より深く本格的に学びたい方は手に取ってみてください。

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